人生には三つの坂があるそうです。いわゆる運気や仕事・体調などの好不調にも使われる登り坂と下り坂があります。そして最後の一つが「まさか」です。昨日ボクシングのトリプル世界タイトルマッチが大田区総合体育館でありました。たまたま招待券をいただいたので、人生で初めて世界タイトルマッチを観戦に行きました。メインイベンターはデビュー以来負けなしで、王座を6年以上防衛している日本最強王者の内山高志選手でした。その前に行われた世界戦は二戦とも日本人チャンピオンが圧倒的な強さで勝利し、いよいよ最強王者の登場ということで、館内のボルテージは高まる期待で最高潮になっていました。何ラウンドでどのように倒してくれるのか。満員の観衆はそう期待していたはずです。私も同様でした。それがまさかの2ラウンドKO負け。しかも3度ダウンを奪われての完敗でした。館内では大きな失望は当然でしたが、それよりも今風に言うと「まじか!」、「嘘でしょ!!」、「ありえない!!!」でした。圧倒的な強さで11度防衛し続けてきた絶対王者が敗れたのですから無理もありません。私も少々放心状態でした。しかし、これがボクシングであり、勝負の厳しさなのでしょう。まさに『まさか』でした。人生でも仕事や対人関係、勉強や部活でも絶好調だと感じているときに、しばしばこの落とし穴のような『まさか』が訪れます。現状に慢心していると『まさか』にはまってしまうのかもしれません。内山選手が慢心していたとは思いませんが、自身への教訓として深く心に刻んだ次第です。