世の中には既得権益なるものが深くはびこり、それがいわゆる岩盤規制と呼ばれ規制緩和が進まない大きな原因になっています。まあ自分達にとって不利になることを甘受する人はそう多くないのでしょうが、公務員改革、医師や薬剤師など医療関係者の増員、農協改革やTPP法案など改革される側の抵抗する姿には、「全体最適」という概念が希薄だと感じてしまいます。まさに「一部最適」であり、長い目を持って国家全体の行く末を考えているとは全く思えません。既得権益を離そうとせず、もっと他にもやることはあるだろう的な言動には本当に情けなくなってしまいます。ところで個人的には医療費増大による社会保障制度並びに国家財政の破綻をとても危惧しています。社会的弱者である高齢者の保護という観点は理解できますが、そのツケは確実に若者世代つまり我々の子供や孫たちに回っていくのは火を見るより明らかです。残念ながら我が国は高齢者>若者の構図が固定化しています。今後この国を背負っていくのは高齢者ではなく若者たちなのに…。政府は国会承認により一定の収入以下の高齢者に対して一律補助金を配布します。わが国の金融資産の80%以上を高齢者が保有しているのにもかかわらずです。一方若者に対してはどうでしょう。あまりにも投資が少なすぎます。現存する「貧困の連鎖」による教育格差、奨学金という名の重い債務、将来を保証されない社会保障制度など、今の若者に夢を与えられていない現状を早期に改善してほしいと切に願っています。若者たちが安心して暮らせる社会が実現すれば、『引きこもりなどの解消→雇用者が増える→社会全体の収入増→社会保障制度の存続→若者と高齢者が上手に共存する社会』という構図が見えてくる気がしています。政治家の方々には「全体最適」を推進すべく努力してほしいです。