一昨年末に朴槿恵大統領との間で日韓合意がなされ、両国の懸案であった慰安婦問題が解決の方向に向かったかと安心していたら、たった一年余で今回の釜山での慰安婦像設置事件が起きました。両国それぞれの主張があり、私個人もこの件に関しては持論がありますが、賛否両論がありますのでここでは控えさせていただきます。歴史的な研究や考証はすべきでしょうが、我々現在に生きる世界の人々が過去にとらわれず、できうる限り争いや諍いをなくして平和で安全に生きていくべく互いに協力できないものでしょうか。歴史や過去をいつまで掘り返すべきなのか、また戦争犯罪(歴史上は戦争を犯罪とは定義しませんが)をどのように定義しえるのかなど、歴史をどう振り返るかには難問が山積しています。人類の歴史は戦争の歴史といっても過言ではありませんし、そのことによって多くの憎しみや怒りの連鎖が続いていることも否定しません。しかし加害者とされる(歴史上は戦争に加害者など存在しませんが)わが国でも多くの市民が犠牲になり、悲しみや憎しみが残っていることも事実です。今を生きる世界中の人達が率先してすべきことは、平和な共存共栄の社会を実現することを第一義とした行動であることを強く願います。それが理想論であったとしても……。