7年前に初めて中国を訪れるまで、私は反日色の強い中国と韓国に自ら渡航することはないだろうと固く信じていました。それが知己とのお付き合いで2泊3日で上海にいやいや渡航したのが始まりでした。最初からもう二度と来ることはないだろうと思っていたので、訪ねた場所も目に映った風景もほとんど記憶に残っていません。それが金京勲氏との奇縁からその後30回以上訪中することになるのですから、人生とは不思議なものです。金氏の本拠地が蘇州だったので、上海空港経由で現地に入りました。中国に対する最初の印象は「混沌」です。日本ではまず見かけることのなくなったリヤカーを引いている人のそばを、レクサスやBMWの最新車が通り過ぎていく新旧混合の激しいギャップがいたるところで見受けられました。また様々なマナーに関して日本の常識がまったく通じない衝撃、交通ルールの存在を疑うほどの運転手や歩行者の行動には目が丸くなるばかりでした。当時盛んだった役人との接待や酒席に参加して異国の人々と腹を割って接する機会も経験し、狭量な自分に気づかされたこともあります。まさに「未知との遭遇」で、大げさではなく人生観が大きく変わりました。でも日本という狭い世界だけではできない経験により、気づきの視点が大きく広がったことも間違いありません。かなりの時間とお金は使いましたが、自分の成長の肥やしになっていることに改めて感謝です。