当社の仕事は教育業界ですから、生徒達に「しっかりと計画を立てて試験に臨みなさい」と指導する機会が多いです。またご父兄の方々がわが子に抱く不満に「うちの子は本当に計画性がなくて困る」があります。私も若い頃は生徒達に上述のように指導していましたし、ご父兄の悩みに対しては同調して「わかりました、お子様にしっかり指導致します」と答え、生徒達に「ちゃんと計画を立てて、しっかりと勉強しなさい」と言っていました。今から振り返ると本当に『上から目線』の指導です。しかし今は少し違います。計画性の重要性は指導しますが、このように話すことはありません。よく考えれば誰にでもわかることですが、我々大人でも計画的に仕事をこなせる人は非常に少ないのが現実です。いわんや子どもが計画的に勉強を進められたらびっくりものです。当社にしても計画的に仕事をこなしているスタッフはそういませんし、ご父兄にしても同様でしょう。また子供達はそれに大なり小なり気づいているので、大人が『上から目線』で指導しても素直に聞くわけがありません。最近はまず計画性の難しさを説きます。そして大人でも実行するには相当な気力と能力が必要であることも話します。その上で計画の立て方や効率的な進め方を指導していきます。加えて計画遂行率をあまり高く設定しないようにしています。このように大人が自分でも難しいとはっきりと認めると、子どもは自分の目線まで降りてくれた大人の言うことに耳を傾けてくれるのです。子どもはまだまだ純粋なので指導のし甲斐があります。でも大人は頭が固くなって非常に指導が難しいなあ……。