拡大一途の少子高齢化社会に比例して年金、医療、介護といった社会保障費の増大に対する財源をどうするのか待ったなしの状態となっていますが、一向に議論が進まない状況に正直言ってまたかと落胆しています。また社会保障費の相当部分が高齢者向けに使われ、少子化対策ははるかに少ない現状をどう考えているのでしょうか。これからの日本は子供たちが支えていくにもかかわらずです。『シルバー民主主義』と言われる所以です。最近やっと小泉進二郎衆議院議員らが中心となって『こども保険』構想を出していますが、これに対しても多くの反対意見が出ています。賛否両論は世の常ですが、子供のいない人や子育てが終わった人は給付がないのだから、負担を求めるのは不公平だという亡国的理論には呆れてしまいました。社会保障とは皆で国を支えていくのだということが根本的な発想のはずです。高齢者に手厚すぎる社会保障の構造こそ不公平極まりないと考えます。自分も近い将来高齢者の仲間入りをします。しかし失礼な言い方で申し訳ありませんが、老い先短い高齢者よりも最低でも『若者≧高齢者』の構造にしないとこの国は立ち行かなくなるのではという懸念が大いにあります。戦争末期わが国は亡国の危機に際して「疎開」を行い、将来の日本を支える子供たちを最優先とする施策を取りました。もし都市に残っていたら空襲で多くの子供たちも犠牲になり、戦後の復興や高度成長に大きな支障が出たかもしれません。もうこのような当たり前の発想を期待することはできないのでしょうか。遅々として進まぬ子育て支援、待機児童、高い利子の奨学金などは、財源がないとする論理に屈しているように思えます。高齢者に対する財源はあっても若者に対する財源はない。これでは若者に冷たい国と言われても仕方ないでょう。『シルバー民主主義』には憤懣やるかたなく感じています。