コントロールを付けることに決めた私は捕手がいないので、近くの公園にあるストライクゾーンの付いた壁に向かって投げる練習を始めました。講演を利用する子供のいない早朝や午前中を選んで週2回のペースで、肩や腕に負担をかけすぎない程度に投げ込みました。下半身の使い方が難しく、また上半身がすぐ開くのでなかなかうまくいきませんでしたが、練習を続けるうちに少しずつ自分の狙い通りに投げられるようになりました。しかし結果は、1年目は4勝3敗で4位。2年目は5勝3敗で3位と練習と実践では全く違いました。当たり前のことですが練習の半分も思い通りに投げることはできません。なかなかストライクが入らず、ストライクを取るためにボールを置きに行くと痛打され、投手の難しさを嫌というほど痛感しました。この経験から以前はプロ野球の試合を見ているとき、ストライクが入らない投手に「何やってんだ。ストライク入れろ!」などと吠えていた私は、今も無論ですが一切そのようなことは言えなくなりました。全ての投手はストライクを投げようと思って投げているのだと実感したからです。三年目は6勝3敗でも4位となかなか上位にはいることができず、優勝するのに5年の歳月を要したのです。その後練習を重ねて12年間で4回優勝できました。甲子園大会にも9回出場して8勝しています。今年も次戦に勝てば5回目の優勝を手にすることが出来ます。通算個人成績は90勝19敗です。負けなければ来年100勝に到達できるかもしれません。目標は70歳まで現役で投げることですが、果たしてどうなることやら…。何しろ独学ですし…。野球編はここまで。