損失回避性と保有効果

 今日は行動原理学より学んだことをご紹介します。例えば必ず1万円が当たるく じと、2万円と0円の確率が五分五分のく じのどちらかを選ぶ場合、皆さんはどちらを選択しますか? 多くの人は前者を選ぶそうです。私もそうです。しかし先に2万円を渡しておいた上で、同様のく じを選択させると後者のく じを選ぶ人の割合が多くなることが実験でわかっているそうです。このく じの期待値は全て同じ1万円であるにもかかわらず、意思決定の結果が変わるのが損失回避性と保有効果なのです。面白いのは先に2万円を渡した後のく じの選択結果です。先にお金を手にしてしまうと半分の確率で0円になっても良しとするのは、2万円を持っている状態から考えることをスタートするからです。この状態は「参照点」と呼ばれるのですが、人は参照点から見て損をするのを嫌がる傾向にあるそうです。例えば物価が5%から上昇しているときに3%の賃上げは喜んで受け入れますが、物価が3%下がっているときの1%の賃下げは断固反対するそうです。面白いと思いませんか?次回は別の例でさらにお話を進めます。 To be continued.