過去2回にまたがって人の行動経済学における特性について綴ってきましたが、実務における面白い意見があったので最後にご紹介します。従業員の資格取得の際、資格を取得したら取得費用に加えて報奨金を出すことにしているのに、全く動かない従業員がいるとします。よくある話です。このような人向けに最初に報奨金を払ってしまい、期限までに資格を取らなかったら返させるという制度を導入するというものです。この前払い・返金方式を取れば『損失回避性と保有効果』という理屈上、うまく機能するはずというものです。皆さんはどう思いますか? もしかしたら子供の学校の成績に対しても、前払い・返金方式を試す価値があるかもしれませんね。成績アップでお小遣い増額という仕組みは資格取得の報奨金と同様で上手くいかないでしょうから。