高田郁さんという小説家が好きで、作品はほとんど読んでいます。最近、新刊が出まして、本屋さんで見かけてすぐ購入して読みました。大好きなみをつくし料理帖シリーズの番外編で、本編完結のその後の登場人物のエピソードが書かれていました。やっぱり号泣。あたたかいお話がほんとうに上手。感動しました。
このお話は、大阪からとある事情で江戸に出てきた女性料理人が、風習や味の違いに四苦八苦しながら、いろいろな人たちに出会い、成長し、成功していくお話です。
今回、おもしろいなと思ったのは、「味噌」に関するエピソードです。関東と関西では根本的にまず味噌から違っていて、色も味も違う、というお話で、その事実に気づいた主人公が、関西で関東出身の人のために一から味噌を作り、そして合わせ味噌の可能性に気づきます。
実家では、親戚の家と合同で、最近まで祖母が味噌を手作りしていました。大学に入学して一人暮らしをするとき、祖母の手作りの味噌を持ってきたものでした。あと、梅干も。懐かしい・・・。
祖母も高齢ですので、もう作ることはありませんが、今回、この小説を見て懐かしく思い出しました。また食べたいなぁ。作り方を習って作れればいいんですけどね。
この小説では、全篇を通して、「食は人の天なり」ということがテーマになっています。医食同源。口から入るものだけがその人の身体を作る。ちゃんと食べて健康でいなくちゃと思いました。