私の職暦(バイト暦) 最終回

 大学3年に松戸市に引っ越して、いろいろとアルバイトを探しましたが、時給や勤務地の関係でなかなか見つかりませんでした。そんな時、日刊アルバイト情報(懐かしい)に塾講師の募集がありました。当時塾講師の時給は1500円以上でした。通常の時給500円と比べるとかなり高額でしたので、応募者も多く倍率も高かったと記憶しています。ただ勤務地が茨城県取手市とあったので、それでは論外と思ったのですが、最後に松戸から快速で20分と記載されていたのです。それなら通えると考え早速応募して採用されました。当時は塾に通う生徒が激増し始めていた時代でした。また今のような個別塾ではなく、ほぼ集団指導の塾ばかりでした。大学1年の時に少々経験していたとはいえ、ほぼど素人の私が研修らしい研修も受けずに、1クラス20人近い子供達の教鞭を取っていたのですから、少々いい加減でも何とか通る時代だったのだと思います。ただ自分のいい加減な授業を真剣に聞いてくれる生徒の純粋さやひたむきさと、子供が大好きという自分の性格がマッチングしたのでしょう。この仕事の面白さにまさにはまってしまったのです。すっかり天職と感じ、3年の時は週6日、4年の時は毎日通勤していました。大学はさぼりまくりでしたが、大過なく無事卒業。そのままその塾に新卒で勤めることとなりました。当時塾の教師に新卒でなる人は皆無だったと思います。同級生たちにいろいろと本気で心配されましたから。そしてあれから38年。この仕事一筋です。随分長い年月でしたが、過ぎてしまえばあっという間です。子供達に「こんなお爺さんに教わるのは嫌だ」と言われるまで、この仕事を続ける覚悟です。以上で『私の職暦(バイト暦)』にピリオを打たせていただきます。