塾業界に限らず、自分の業界にしか目が向かない人が少なくありません。商売は異業種からこそ学ぶべき点が多いと考えるので、今回から私が経営の参考にしている企業を綴っていきます。初回は『西松屋』です。少子化が進む日本で子供・ベビー服事業を展開し、コロナ禍でも26期連続増収と最高益を達成して大成功を収めている企業です。社長は創業者の娘婿で、鉄鋼会社から転職しています。店舗経営の無駄を廃止し、店員の手間を減らして、1店舗を2,3人の社員で運営する手法を取っています。例えばワゴンや平台に並べて売る方式からハンガーによる陳列への変更があります。スペースの無駄や洋服のたたみ直しがなくなるほか、通路が広くなりベビーカーを押しながら買い物ができるようになり、滞在時間が短くなる一方で客単価が上がるという最高の結果を出しています。当初は反対する社員が多かったようですが、どこにでもいる変化を嫌う保守派を退けて改革を進めた社長の実行力と「社員の意識を変え、行動を変えれば、状態が変わり数字も変わる」という信念は素晴らしいです。