私たちが無意識に抱いてしまう他人への悪意には、遺伝子の働きが影響している可能性があります。
人間は、似たもの同士が集まると部外者に意地悪になる傾向があります。これは自分、または自分の所属するグループの遺伝子を守るために発達した可能性があるのです。
容姿が似ている人同士は、遺伝子も似ている可能性が高いこと。
容姿が異なる人同士は、遺伝子も異なる可能性が高いこと。
そして、自分たちのグループの遺伝子を残すという目的のために、自分たちと似た人には寛容になり、自分たちと異なる人には危害を加えて排除するように進化してきたと考えられるからです。これは人間だけでなく生物に共通する進化の傾向と考えられます。世界の様々なところで起こり、なかなかなくならない差別問題には、イデオロギーだけでなく遺伝子レベルで生じる本能の問題もあるのかもしれません。研究を進めて、差別問題の根本的な原因の解決ができる未来がはやく来てほしいと願います。
大山