線状降水帯

このところ、連日のように各地で線状降水帯の発生についてのニュースが流れています。

線状降水帯は、気温が上昇し、多くの水蒸気を含んだ空気が冷たい空気がある同じ地域に風によって運ばれることによって起こります。線状降水帯は局地的な集中豪雨の原因となり、発生した地域に大きな被害をもたらします。

 

この線状降水帯が注目され始めたのは、平成26年の広島県の土砂災害あたりからです。その後も平成27年の関東・東北豪雨、平成29年7月の九州北部豪雨、平成30年7月の西日本豪雨などもこの線状降水帯が原因です。

 

この線状降水帯は、現在の科学技術でも正確な予測が非常に難しいのだそうです。

それでも毎年のように大きな被害が出ていますので、気象庁では2021年6月から「顕著な大雨に関する情報」の提供を開始しました。これは「現在線状降水帯が発生した」ことを伝えるものです。

しかし、発生してからその情報が伝わっても、避難等が間に合いません。

 

そこで、今年6月から「線状降水帯予測情報」が発表されるようになりました。

前述のとおり、予測精度はまだ低いため、発生する時間帯も「午前中」「午後」「日中」「夜」「未明から明け方にかけて」

といった形で幅があり、また、発表されたからと言って必ずしも線状降水帯が発生するわけではありません。

 

 

それでもこうした発表が行われるのは、毎年のように出ている大雨による被害を最小限に抑えるためです。

高齢者など、避難に時間がかかる方が早めに避難したり、予め危険な場所を把握しておいたり、寝るときには家の2階以上にする等々の事前の準備が可能になります。たとえ予測が外れたとしても、大雨になる可能性自体は高いわけですので、油断せず警戒しましょう。