重い腎臓病の胎児に豚胎児の腎臓を一時的に移植する臨床研究が計画されています。国内では初の試みですが、ブタの臓器を用いた異種移植は臓器ドナー不足の切り札として期待されており、米国では腎臓だけではなく心臓移植の例もあります。計画では腎臓に問題がある「ポッター症候群」の胎児に豚胎児から取り出した腎臓を移植します。この病気は生まれつき腎臓が正常に作られず、体内の水分や老廃物を十分に排出できず、5000~1万人に1人の頻度で発症すると言われます。医療目的の動物利用や倫理面など課題はありますが、個人的には亡くなるのを見守るしかない赤ちゃんの命が救える可能性があるならば、積極的に取り組んでほしいと思います。