旅で学んだ歴史④ 象潟

 読み方が難しい漢字です。恥ずかしい話ですが、象潟の存在を全く知りませんでした。「きさかた」と読み歴史的には「松島」と並び非常に有名な地名です。秋田県にかほ市にあり、現在は陸地ですが、かつては潟湖(入り江)で、潟湖に島々が浮かぶ風光明媚な景勝地でした。「東の松島、西の象潟」と謳われました。古今和歌集や新古今和歌集などに数多くの歌が収録されています。西行や親鸞なども訪れています。また江戸時代には松尾芭蕉が訪ずれ、「奥の細道」のなかに『松島は笑うがごとく、象潟は憾(うら)むがごとし』とあります。また伊能忠敬など多くの旅行家や文化人もこの地を訪れています。しかし残念なことに19世紀初めの象潟地震で地盤が数メートル隆起して、水深の浅かった象潟湖は完全に干上がり消滅しました。今回難解な地名にひかれて訪れたのですが、自分の知識の薄さを再確認させられることになりました。でも未知の歴史はまだまだありそうで、逆に今後の旅の楽しみの一つになりそうです。