パテントクリフとは「特許の壁」のことで、特許満了などにより独占販売期間が終了し、安価なジェネリック医薬品(後発品)市場を奪われて生じる大幅な減収を意味します。特に後発品の普及度が高い欧米市場でその影響は大きく、日本市場でも後発品の普及に伴い、新薬メーカーへの影響が深刻開始つつあります。小野薬品が開発したがん治療薬「オブジーボ」は売上収益が2000億円に上りますが、31年度に日本での特許が切れると、この売上高がほぼなくなる可能性があります。新薬メーカーの宿命とはいえ、創薬には多大な年月や費用が発生することが少なくありません。エンドレスに新製品を開発することは難しいですが、経営者の腕の見せどころではあるかもしれません。