禁煙して40年

 私の世代は20代で喫煙率90%以上で、周りも吸うから自分も吸う、喫煙が一種大人のステイタスであるような時代でした。しかし健康のためにやめた方がいいとは理解していました。禁煙したのは25歳の時で、自分のプライドの高さを利用して、友人達の前で「今から禁煙する」と宣言し、持っていたライターとたばこを友人たちに渡しました。皆から「どうせできないからやめれば」とさんざん言われ、「ほら吸いなよ」とたばこを目の前に差し出されたり、「美味しいよ」と煙を吐きかけられるなど、大いに邪魔されましたが、これも狙いの一つでした。友人達から「やっぱりやめられなかったな」と言われまいと、懸命に我慢したのです。禁煙して20年は喫煙する夢をみて大いに汗をかきましたが、今はそのようなこともなく、あれからもう40年も経つのだと感慨にふける自分がいます。年の瀬ですね。