矢羽

 弓矢などについている羽のことをさします。タカ、ワシ、キジなどの鳥の羽が使われました。これが文様化され、この文様のことを「矢羽文様」と呼びます。矢は武士にとって大切な武具であるため、武を尊ぶ気持ちを象徴した矢羽文様は衣装や家紋によく使われました。また江戸時代には「一度放った矢は戻らない」ことから、結婚の際の縁起物として矢絣(やがすり)といって、矢羽文様の絣織物の着物を持たせる風習が生まれています。明治時代には女学校で袴スタイルが大人気となり、矢絣柄が好まれるようになります。そして現在では卒業式に矢羽根文様の袴姿の女子学生が数多く見られます。